日本人の日本語に対する読解力というか、忖度意訳は非常に高性能だが、よく誤作動を起こす。
『オギリ マサオ』という男性だと、ずっと認識して一点の曇りもなかった。
先週、広島ローカル番組「カープ道」に、『斜め下からカープ論』の著者が出演していた。
「女だったのか!?!?」とともに、『オギリマ サホ』というのが正式な表記だと認識できた。加齢とともに日本語忖度認識力も性能が低下することを体現できたような気がする。
本は文庫本なので、ベッドサイドに置いて気が向いたら1章づつ読んでいた。書籍自体は200ページ弱なので、気合を入れれば1~2時間で読むことができる。
これまで本というものは、早くたくさん読むものだという若い頃にありがちな強迫観念で、ただひたすら多読をしてきた。歳を重ねるにつれて自分の中では、「ゆっくり噛みしめるように読むのがいいんじゃないの、きっとそうだよ。」という感情が、芽生えてきて、最近はもっぱら読書オンザベッドで、ゆっくり時間を掛けて読書を楽しんでいる。
本の内容は?
本の内容は、斜め下からとタイトルにも入っているように、普通のカープファンでは、「そんなことは考えないだろう」というような変態的な視点で角度をつけた文章です。ただ、カープへの溢れんばかりの愛は感じる。
目次は以下の通り
1 中﨑翔太のむき出しストッキングとヒゲの相関性についての一考察
2 プロ野球界における「パンチパーマ」の流行と衰退
3 広島カープの同姓選手を見るとドンジャラがやりたくなる理由
4 菊池涼介の「帽子のつば真っ平ら問題」を考える
5 なぜ私たちは九里亜蓮をフルネームで呼んでしまうのか
6 丸佳浩の〝目の下の黒いアレ〟を調べてわかった大変なこと
7 ジョンソンのユニフォームの脇の穴に隠された意図を探る
8 帰ってきた永川さん、勝てなかった時代の守護神のこれから
9 Cマークは弱いの? 広島カープ歴代ユニフォームの勝率を調べてみた
10 菊池涼介の「胴上げ時カンチョー」について考える
11 松山竜平のメガネはなぜ青い
12 エルドレッド、エルドレッド、無限のパワー
13 カープファンはFA制度にどのように向き合うべきか
14 カープ兄弟船
15 プロ野球選手の改名事情
16 背番号から予想する、今年活躍する選手
17 野球選手の私服考、そして會澤のセーター
18 選手プロデュースメニューを食べたことがないので分類だけしてみた話
19 いつか部屋がカープグッズで満たされる日
20 消えた「カープボーイ」の謎
21 『月刊ザ・カープ』をたどる旅
22 東京でカープファンを続けるということ
中でも、10章の『菊池涼介の「胴上げ時カンチョー」について考える』だが、チビっ子が見ているプロ野球の試合で安易に真似したら困るだろうと感じていたのだが、オギリマさんが、「私は決してカンチョーを容認しているわけではない。一歩間違えればいじめにつながる行為」と書いており同意見で安心した。
菊池にカンチョーされた選手の前後の成績を比較していたが、特には影響はないというのが結論だった。カンチョー後に成績が上がることが約束されれば、自らカンチョーをお願いする選手もきっといたはずだろう。
菊池も今シーズン終了して、メジャーに行くかも知れない。まさか、メジャーにいってまでカンチョーをすることはないだろう。
しかし、菊池の胴上げカンチョーは着実に後輩選手へと引き継がれている。
赤松さん感動の胴上げの輪から お尻押さえながら外れる中神くん 大笑いしながら外れる庄司くん カンチョーの被害者と加害者の図がココにある。 pic.twitter.com/4dOlAUQqAT
— みい。 (@speedcarppp) September 20, 2019
他の章にも、いろいいろな考察や提言が独自の視点で書かれているが、どれもカープに対して莫大な時間を掛けているのが見て取れます。
これ以上書くとネタバレになるので、カープファンの方は、是非とも購入して読んでほしい。
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続編がでる場合に、取り上げてほしいトピック
この本が売れて続編が出版されるのであれば、ぜひ以下の2項目を取り上げてほしい。
- ヒーローインタビューのウォーターシャワーの系譜
- 鈴木誠也の鼻毛飛ばしと鼻くそ飛ばしの被害者
他にも、ホームラン打った時などに見られるベンチのお迎えタッチの種類と意味などいろいろありますが、オギリマさんの斜め下からの視点で見た方が、面白いはずなので割愛します。
広島出身の映画監督・西川美和さんの書いた巻末の解説も、広島愛に溢れてとても良い内容です。
オギリマさんは、まだマツダスタジアムに行かれてことがないそうなので、広島ホームテレビの大人の力で、招待してあげてください。
以上、続編を期待しています。